「夢は、自分で設計した家を建てること」。設計士としてサンリーハウスに入社して一年余り、長年の夢だったマイホームの完成に喜びを噛みしめる打田さん。そこで今回は早速、設計士の打田さんがつくる、見どころ満載の新居にお邪魔してきました。至るところにプロの技が光り、打田さんとサンリーハウスの本気が見えてきました!

プロフィール
打田 将梧(Uchida Syogo)
石川県内灘町出身。前職では店舗の設計をしており、2022年6月サンリ―ハウスに入社。現在は、住宅関連の設計業務に従事している。趣味はYouTube鑑賞。

サンリーハウスで叶えた、自分らしさを詰め込んだ家。こだわり全開ルームツアー。

ーー打田さんの念願のマイホームということで、これまでのサンリーハウスにはなかった一味違った仕上がりになっているとお聞きしました。そのこだわりや新たな取り組みについて教えてください!

まずは、この「サンクンリビング」ですね。サンクンリビングとは、この一段下がったリビングのことを言います。この施工事例は、これまでのサンリーハウスにはなかった初めての試みでした。

ーーここにも空間が開いていますが、ここは一体何ですか?

ここには、既製品の箱を入れて、収納スペースにしようと思っています。

ーーほうほう。ということは、その箱はもう決まっているんですね?

無印良品の商品にしようと決めていて、それに合わせてぴったり収まるようにしました。それがこの前、いざ買おうと思って店舗に行ったら、その商品がなくなってしまっていて。。。

ーーえええええ。

家を建てるまでに約一年はかかるので、その間に商品がなくなってしまったかもしれなくて。事前に買っておけば良かったなと。。ネット注文があるのかどうかまだ調べてはないんですが。

ーーそんなことがあるんですね。それは私もショックです…。よく見ると、この収納スペースの上と下に分かれて2つコンセントがあるんですね。これは、使い分けるためにあえて2つ作ったのですか?

はい。上は壁掛けテレビ専用のコンセントで、下はその他の電化製品用のコンセントになります。壁掛けテレビの配線を後ろに隠せるようにして、すっきりと見えるようにしました。

ーーなるほど、これは使い勝手がよさそうですね。一見カーテンがないようにも見えるんですが、これはスライドカーテンですか?

そうです。基本的にカーテンは開けたままにしておきたいので、閉まった状態のカーテンを隠しておくための壁を作りました。

日中はガラスの反射で室内が見えにくいので開けたままでもいいんですが、暗くなると室内が外から見えてしまうので閉めてという感じですね。ブラインド式のカーテンにしたので、視線が気になるときには角度で調節すればいいかなと。

ーーすっきりとした印象になりますね。

あとは、窓の種類も標準とは違っていて。性能はやや落ちるんですが、フレームが目立たないよう薄くてすっきりとした見た目のものを選びました。断熱性が高いものだと、フレームが太くてしっかりとしているんですが、見た目のデザイン性を重視したかったので、通常とは違ったものをあえて選んでみました。

ーーとっても開放的で素敵です。こっちは庭ですか?庭がある家って憧れます!

庭には木を植えて、隣にはすぐ駐車スペースも作りました。このおかげで外からの視線もそこまで気にならないかなと。

ーーやっぱり家を建てる際には、視線が気になる方が多くいるんじゃないかなと思ったりするんですが、視線に関するお客様からの要望は多かったりしますか?

お隣さんとの窓の位置などを気にされる方はいたりしますね。お互いの家の中が見えてしまわないようにしたい、という感じで。

ーー意外と気になってもその程度なんですね。この他にもまだまだ新しい試みはありますか?

エアコンを隠す格子も作ってみました。

ーーこんな部分にまで細かな工夫が。

それと、室内の延長線上として外にも木材の天井を張りました。木材も節が少ない部分を使うことで、すっきりとした印象に仕上げました。

ーー外と中の天井をつなげるのにはどういう意図があるんですか?

外と中の天井の高さを合わせることで、外と中が繋がっているかのような広がり感を出すことができます。壁には鏡も入れて、さらに空間が広く見えるよう演出しています。

ーー確かに!無機質な素材よりは、ここはあえて木材を使いたかったのでしょうか?

無垢材はどこかで使いたいとは思っていて。せっかく使うのなら、家の顔でかつ一番夫婦が過ごすリビングがいいかなと。

ーー打田さんと同様に、家づくりに木を取り入れたいお客様は多いと思うんですが、コストもあって全面に木材を使うのって難しいですよね。だからこそ、こんな風に部分使いができるのはすごく良いアイデアですね!

それと、これは意図してはなかったんですけど、外壁と室内の壁紙の色味も似て、さらに繋がり感のある良い仕上がりになりました。

ーーところで、カウンター下のあんな低いところに、どうして換気扇があるんですか?

将来的にワンちゃんを飼う場合も想定して作りました。カウンター下にケージを置いて、そこで用を足しても臭いが気にならないようにここに換気扇を付けました。もし使わなかったら使わなかったで、普通のカウンターとして使えばいいかなあと。

ーーいいですね!すごく素敵。奥のキッチンなどは特に、奥様のこだわりがあるのではないですか?

キッチンも2人で決めて、食洗器にはこだわりました。あとは、妻の要望で、掃除がしやすいようにシンプルかつスタイリッシュに仕上げました。

ーーこの食洗器すごく大きい!思った以上ですね!

朝昼晩の洗い物を全部詰め込んで、一日一回で洗い物を済ませてしまえるようにしました。

ーーそれは嬉しいですね。中が2段に分かれていて、掃除もしやすそうです!後ろのこの辺りは、調理家電を置くスペースですよね。ここは何を掛けるんですか?

想定では、フライパンなどの調理器具をかけるつもりだったんですが。。見た目のお洒落さにこだわって細くした結果、掛けたときに重みでたわんでしまって、実際はあまり掛けられなかったです(笑)。

ーーあらららら。。

なので、おたまとかフライ返しとか、ちょっと軽めのものを掛けようと思います。

ーーそんなこともあるんですね。あと、このコンセントもすごく必要ですよね。なんて使いやすい位置にあるんだと思いました。

さらに奥に進むと、ここは洗面所になります。洗面器の下にコンセントがあるので、ドライヤーなどの電化製品のコンセントをさしたままでも、広々と洗面台を使うことができます。洗面所は、妻のドレッサーも兼ねているので、空調のきくリビングの一角につくりました。

ーーこの洗面すごく広いですね!

ボウルや鏡は、よくアパートとかにあるような、既製品の洗面化粧台のものを使っています。一体型になっている下半分を取っ払って造作しました。

ーー取っ払ってとは?

既製品をそのまま使わずに、解体してボウルと鏡だけを部分的に使っています。

ーーちょっともったいないような気もしますけど、そんなこともできてしまうんですね!

ボウルや鏡を単体で調達することができなかったので、今回はそうしてみました。洗面所の隣が脱衣室になります。

妻からはできるだけ掃除をしやすいようにとの要望があったので、お風呂は棚も鏡も全部なくして、マグネットで貼り付ける収納にしたり、脱衣所は乾燥機利用することで、干し場をなくして掛けるだけのハンガー収納にしたりと、極力スッキリさせられるようにしました。

ーー掛ける収納ってやっぱり楽でいいですよね!

一階は以上になります。次は二階に案内しますね。

この階段は特にこだわったところで、大工さん泣かせの階段と言われています(笑)。縦の一本のラインに階段のピン角を合わせるには相当な技術が必要で、本当に大工さんは大変だったと思いますね…。

ーーそれは大工さんも枕を濡らしたことでしょうね(笑)

2階に上がって、ここが寝室になります。

ーーすごい!一段上がってますね。おしゃれすぎます…。

以前、旅行で岐阜を訪れたときに泊まったホテルがこんな造りで、それを参考にさせてもらいました。

ーーほう、ローベッド的な感じになるんですね。この緑と白のコントラストの壁紙もすごく可愛いです。

こっちはクローゼットと書斎になります。

この書斎は、正直使うかどうか分からないんですけど、どうしてもほしくて作ってしまいました(笑)。

ーーここから眺める景色は最高ですね。落ち着いた気分になれそうです。

最後に、ここが子ども部屋になります。

子どもの好きな色の壁紙を張ったりDIYしたりできるように、いまはあえて真っ白にしてあります。そういう楽しみはあえて将来に残しておこうと思って!

ーーすごい!そういう発想があるなんて初めて知りました。そこまで考えられているなんて、素敵過ぎます…。

施主目線とプロ目線。施主になった設計士が目指す先

ーー打田さんの好きが感じられるとっても素敵なお家でした!自社ブランド「So」として、一般のお客様にも同じように、今回の新たな施工事例を展開していけるといいですよね。

そうですね。いずれそうなればいいなあという思いもあって、今回は普段とはかなり違った施工にたくさん挑戦してみました。先日行った内見会では、「この間取りの家がほしい!」とお客様からの声を頂き、とても嬉しかったですね。他にも「ここいいね!」とか、好評の声を頂いたので、今後の設計にも積極的に取り入れていきたいと考えています。

ーー見てもらえるのが待ち遠しいですね。今回の家づくりのテーマや打田さんが大切にしたかったことはありますか?

なんだろう、こだわりはいろいろと詰まっていますが…。自分がやりたかったこととしては、どこか普通の家のようにはしたくはなかったなあと。

ーー普通の家とは…?

量産的な家ではなくて、「設計士が作りました!」と言えるような、見ごたえのある家にしたかったですね(笑)。例えば、サンクンを取り入れたり、外壁も普段使わないような素材を使ってみたりして。

ーー確かに。プロの技が家の随所に見ることができました。打田さん自身のこだわりはたくさんあったと思いますが、奥様のこだわりはありましたか?

かなり任せてもらったんですけど、妻の要望としては、収納を多く取ったことと、家事動線ですかね。

ーーそうなんですね。ご夫婦お二人とも、すっきりとした感じが好みなんですか?

そうですね、二人ともA型なので(笑)。新築が完成したのを機に、きちんと整理整頓を頑張りたいですね。家のいろんなところに簡易的な収納スペースを点々と作ってあるので、散らかりにくくはなっているかなあと思いますね。

ーーそもそもなぜ今回、勤務するサンリーハウスで家を建てることになったんですか?

一昨年結婚をして、ちょうど家も建てたいなと思っていました。もちろん、家を建てるなら自分が設計しようと決めていました。

もし、サンリーハウスに入社していなかったら、自分の書いた設計図を元に施工してくれる住宅メーカーを探そうかなと思っていました。そんなときにちょうど注文住宅も扱う当社に入社することになって、それなら自社で建ててもらおうと考えました。

ーー最初に、自分の家を建てたいという意思を会社に伝えたときの反応はいかがでしたか?

上司からは、好きなようにすればいいよと、言っていただいたので好きなようにできました(笑)。同僚の建築士たちも完成を心待ちにしてくれたりと、部署内もすごく良い空気感が流れていて、そんな中で遅くまで残って自分の家の図面を修正したり、楽しく仕事させてもらえましたね。

ーー楽しくお仕事できて何よりです(笑)。完成した家に対して、社員の方々の反応はいかがでしたか?

同僚の建築士たちには、「すごい格好よくなったね」と言ってもらえましたね。社内での評判もそこそこ良くて、うれしい限りですね。

ーーそれは良かったです!初めての家づくりはいかがでしたか?順調に進みましたか?

建築中は何度も現場に足を運んで、好きなだけ施工の様子を見ることができました。現場の業者さんからの問題の共有もスムーズで、月に一回ほどのペースで上がってきた問題についてしっかり話し合う機会ももらえました。融通を効かせてもらえたのは大きくて、やっぱり自社で建ててよかったなと。

ーー設計士は定期的に現場を見に行くものなんですか?自分の家だからこそ、より頻繁に足を運んだということですか?

基本的に設計士が現場に行くのは検査ぐらいで、頻繁にはないですね。ただ今回は自分の家ということもあって、オフの日や休憩時間など、好きなだけ顔を出して見ていましたね。

ーーそうなんですね。今回、頻繁に現場に足を運んでみて、普段は気付かなかった新たな気付きはありましたか?

どれだけ図面をきっちりと仕上げていても、実際の現場で施工していく中で、何かしらの問題は発生するということですね。

何か問題があった場合、通常は、現場監督を経由して設計士に話が上がってくるか、現場監督の判断にゆだねることになります。ただ今回は、自分の家ということもあって、そういう一つ一つの問題についても、設計士目線で自分でどうしたらいいかを考えて、職人さんと意見をかわしながら決めていくことができました。

ーー自分の家づくりでいろんな問題に直面してみて、「こういう問題がおこるかもしれないからここ気を付けよう」とか、設計の時点で事前に問題を想定して何か対策できるものですか?

なかなか実際は難しいところですね。頭で考えているのと、実際の現場とで違ってくることも多々あるので。極力、設計の時点で想定できるようにはしたいとは思っていますが、現場での臨機応変に対応する力も必要だと感じました。今回を通して、現場での問題に対応する力を少しは磨くことができたかなと思います。

ーー設計の専門性以外にもいろんな能力が求められるのですね。サンリーハウスには設計士が3人在籍しているとのことですが、打田さんの得意分野はありますか?

同僚の設計士たちにも言えることですが、家事動線はすごく意識して設計していますね。

ーーそうなんですね。今回施主を経験してみて、これまで設計士としてお客様の住宅を設計してきたときとは見え方や考え方の変化はありましたか?

施主を経験して、やはり施主目線で考えることが増えましたね。今まではあくまで仕事として設計のプロ目線でしかなかったけど、一施主として素人目線で見てみると、設計だけでなく現場の作業状況がすごく気になったりもして。もっとお客様目線で家づくり全体を気にかけていかなければいけないと思いました。

ーー施主になってみて、使う人がイメージしやすくなったのもあるような気がしますね。

そうですね。実際に暮らしてみて、「ここが良かった」「ここが良くなかった」と気付くこともたくさん出てくると思うので、その経験も合わせてお客様への提案に活かしていきたいと思います。

ーーお客様にとってすごく心強いアドバイスになりますね。入社時の目標を達成したいま、新たな目標を再設定するとしたらいかがでしょうか?

そうですね。この雰囲気が好きで、この造りが自分の得意とする設計を体現したマイホームになるので、この家が好きだと言ってくれるようなお客様の力になれたら嬉しいですね。

ーー心待ちにしています!

サンリーハウスと二人三脚でマイホームの夢を叶えた打田さん。打田さんの家づくりへの情熱はもちろん、社員の挑戦を応援するサンリーグループの懐の広さが伝わってきました。