2008年に、自身の母である社長とともにサンリ―ホームを創業した専務。当時弱冠二十歳だった彼の決断の裏にはどんな想いがあったのでしょうか?サンリーホームに脈々と流れる「挑戦」の空気。そのルーツを専務の人生から探ってきました!

小林 和晃(Kobayashi Kazuaki)
取締役専務/採用責任者。高校卒業後、大工としてキャリアをスタート。創業者である社長と共にサンリーホームを牽引。

大工としてはじまったキャリア。家づくりへの興味は、不動産へと広がった。

小林和晃取締役専務

――小林専務はお母様である社長と一緒にサンリーホームを創業しています。確か20歳のときですよね。非常に若くして起業に踏み切った、その背景を教えてください。

小林さん:まず、高校を卒業して、最初は大工になったんですよ。

――大工さんだったんですか。

小林さん:はい、アルバイトで大工をやってみたら、面白くて。気づいたら建物をつくることにハマっちゃって、それで2年くらい大工として働きました。2年なんて大工としてはまだ新人ですから、逆に「浅くていいから一通り全部見ておけ」と言われ、基礎とか外壁とか瓦とか、2年の間に大工の中でいろいろな職種をローテーションさせてもらいました。

結局、母が独立起業してサンリーホームを立ち上げることになり、それを手伝うために大工は辞めてしまいましたが、経験自体はその後にかなり役立ちました。建物を建てる流れがわかるし、専門的な言葉もわかるし、現場の人と話が通じやすい。

――創業時の理念というか、「こういう会社にしよう」と思い描いたのはどんな絵姿だったんですか?

小林さん:確固たる理念はなかったんですよ。物件紹介を通じて、とにかくほんの少しでもお客様に喜んでもらおう、ニーズがあるなら自分が背伸びしてでも応えようという、それだけです。がむしゃら。

ただ正直に言うと、最初の一年はお客様があまりつかなかったので、暇で暇で(笑)。当時は夜学で建築士の免許を取ろうと思って勉強していたのですが、その両立も余裕でしたね。徐々にお客様が増えてきて、両立できないくらい忙しくなっていきましたが……というか、建築士より宅建のほうがこの仕事に必要だなと思ったので、切り替えて宅建を目指し、そちらを取得したという感じですね。

ニーズがあるなら挑戦一択!できると信じて走りぬく、その覚悟があるかどうか。

――最初の一年で会社が急成長した理由は何だったのでしょうか。

小林さん:さっき、「背伸びしてでもニーズに応える」と言いましたが、ほんとうにそれだけです。コツみたいなものはない。お客様に少しでも良い住環境を提供することに注力して、「できません」っていうのは言わないようにしていました。よく、「これはできる?」って聞かれて「できます」と答えちゃってから、会社に戻って「さて、どうしようかな……」って考えていました。でも、マズイなどうしようという意味の「どうしよう」ではなくて、「どうすれば実現できるんだ?」と模索する意味での「どうしよう」です。

――実際困りませんでした?

小林さん:足を踏み入れたら「あ、想像以上にこりゃ重いぞ」ってことは何回も。でもそうやってニーズに応えるかたちで新しいことに挑戦したからこそ、事業が増えて行ったんです。最初はアパート紹介だけだったのが、アパート管理も初めて、一戸建ての仲介に販売に、土地を買って建売もして、造成事業にも着手して……。この人数でよくやるよってくらい(笑)。

小林和晃
取締役専務

――挑戦したら、会社が大きくなっていったと。話を聞いていると、勝算があってやっているというよりは、世の中に求められていることは迷わず「やる」一択で突き進んでいますよね。スピード感をもって。

小林さん:まさにそうです。ニーズがあって、挑戦して、結果的に成長した。挑戦が先なんです。だからやり始めたときは経営的にも厳しい。でもやっているうちにやり方を覚えてきて、お客様により良いものを提供できるようになってきて、事業が形になっていきました。

――社員もその成長をずっと一緒に味わっているんですね。

小林さん:それがサンリーホームで働く醍醐味でしょうね。常に成長を共にし、”成長痛”を味わえるということ。毎日毎日が筋肉痛みたいな。それが楽しいと感じるか、イヤだ、つらいと感じるかは人それぞれですが、今いるメンバーはそれが楽しいと感じるから一緒に働いているんでしょう。「挑戦することが自分の生き方そのもの」だと思えるような人なら、当社は合うと思います。そういう成り立ちの会社ですからね。

会社づくりから、カラダづくりまで!?夢を叶える「イメージ」のチカラ。

――もう少し専務のパーソナリティに迫らせてください。専務には、挑戦するときに、不安は感じないのですか。

小林さん:感じません。できるイメージしかないし、できると信じているので。

もちろん、物事を成すために実際に動くから現実に「成る」んですが。一方で、社員たちは不安かもしれないですね。それでも実働してくれるわけですし、そんな彼らに報いたいという気持ちは常にあります。報いるといっても急に100万お給料をあげるなんてことは難しいけれど、休日や勤務時間、待遇の面を毎年改善する形で少しずつ還元できているのかなと思っています。

――仕事以外でも、イメージが形になるという経験はよくあるんですか?

小林さん:仕事以外でもそうです。たとえば、庭付きの一戸建てに住む!という子供の頃からの夢も叶えたし、あとは私、数年前に、14キロのダイエットを成功させたんです。小学生のときにすごく太っていて、中高は部活があったので痩せましたが、その後また戻ってしまい……。このままじゃいけない、体型を見直すんだと一念発起です。1年かけて体重を落として、その後2年で定着させた感じです。太っていた時代の服はすべてお直しか廃棄かにしてもう残っていません。「ぜったいあの頃には戻らない」と固く誓っています(笑)。

――今はどんなことをイメージしていますか?仕事でも、プライベートでも構いません。

小林さん:今まで、「人々の住環境を少しでも良くする」という信念で快適な住まいを考えてきました。でも、ふと思ったんです。住環境って、家だけじゃないぞ?って。たとえば家の近くに便利な道を一本引いて来ることができたらそれも住環境の改善だし、カーシェアリングがついているのもインターネットが整備されているのもすべて住環境。と想像を膨らませた時に、将来、道をつくっている自分なんかも見えてきちゃったんですよね。

加えて、荒唐無稽と思われるかもしれませんが、「めちゃくちゃ眠れる部屋をつくる」とか。温度も湿度も完璧で、音波かなんかが出ていて、入った瞬間にものすごく眠くなって、朝までぐっすり快適に眠れるような部屋があったらいいなぁとか。あるいは寝ている間に夢がVR空間につながっちゃうとか。考えていると楽しいですよね。今、業界も地域もどんどん隔たりがなくなってきていて、古い慣習も消えて行っているから、ある意味可能性は無限なんですよ。

本当にそういうことができちゃうかもしれない。これまでずっと「想ったことは叶う」人生だったから、もう、なんか「想う」のが怖いくらいですよ、叶っちゃうから(笑)。

小林和晃
取締役専務