コロナ禍で急速に進んだオンライン化。でも、対面接客が基本の不動産会社では導入が進みにくいのでは?と気になる人もいますよね。そこで今回はサンリーホームのオンライン化の現状について、専務に聞いてきました。

オンライン面接からオンライン内見まで!バリエーション豊富な非対面施策。

――最初に、現状オンライン化されているものを一覧で教えていただけますか。

小林専務:今オンラインで行っているものは下記の通りです。

<採用関連>

オンライン面接

オンライン会社説明会

<入社後の業務関連>

オンライン賃貸営業(オンライン内見など)

売買物件(土地含む)のオンラインでの商品説明

他社とのオンラインミーティング

逆に、オンラインでは行っていないのは、社員研修などですね。在宅ワークも現状は実施しておりません。

――面接や会社説明会が遠隔で受けられるのは、遠方の方にとってはかなりありがたい施策ですね。

小林専務:そうですね。県外の方が面接のためだけに長距離移動してくるのは良くないなと思いまして。会社説明会も、最初の頃は双方慣れなくて、色々と改善点もあったように思いますが、伝え方などの見直しをしながら継続して実施していく予定です。

――この「オンライン内見」というのはどういうものですか?

小林専務:これは、お客様が気になった物件に当社の営業スタッフが赴いて、タブレットやPCを使って物件の内側を映しながら画面越しにご説明をするというものです。お客様にはご自宅などお好きな場所にいていただけます。

――へぇ、実際に行ってくださるんですか!すごいですね。じゃあ「ちょっとお風呂場もう一回映してください」「クローゼット開けてみてください」みたいにお願いして見せてもらったり。

小林専務:まさにそんな感じです。またオンライン化とは少し違いますが、非対面営業の一つとして、お客様だけで物件に行っていただくことも始めました。いわゆるセルフ内見です。これにすれば営業スタッフに会わなくて済みますから、できるだけ人に会いたくないお客様には合っているかと思います。

――営業スタッフが付き添わない場合、物件のカギはどうするんですか?

小林専務:直前に指定の場所に入れておいたり、ナンバーロックの番号をお伝えしたりして対応しております。ナンバーロックの場合は内見後に毎回番号を変更しています。お客様自身で内見されたあとは、「どうでしたか?」とこちらからお電話をして感想をお聞きしています。

――土地みたいに高価なものもオンラインで商品説明されるとのことですが、オンラインだけで購入の意思決定までたどり着けるものなのでしょうか?

小林専務:決まったこともありましたよ!オンラインというか、テレホンライン、要は電話ですけど(笑)、土地の売買に関してお電話だけでの話し合いで、現地調査も遠隔でとり行いながら商談を進めたケースがありました。決済の時だけ買い主さんに直接お会いしましたが、売り主さんには最後までお会いせずに進みました。

画面を超えて体感を届ける。カギは「臨場感の創出」

――オンライン化を進めてみて、難しいと感じる点はありましたか?

小林専務:先ほど、土地の売買契約がほぼ非対面で成立したとお話ししましたが、やはり現実問題こうやって上手くいくケースが多いわけではありません。契約の意思決定をした後のフローはオンラインで問題ないことが多いのですが、意思決定に至るまでは対面で進めた方がうまく行きやすいというのが実感値です。感染拡大の防止にはできるだけ努めたいと思っているのですが……経営側の悩みです。

――売り上げとの両立は難しいですよね。ただお客様にとっては、自分が住む場所ですからね……なかなか容易に決められないのはわかります。

小林専務:はい。賃貸のオンライン内見やオンライン営業も、自分が現地に行って感じてみたり、当社の営業に会って直接話してみたりしないと気持ちが乗ってこなくて、「やっぱりここじゃなくていいや」と思ってしまうというのはどうしてもあると思います。だからこそ、もっと画面を越えて「体感」まで届けられるような、VRみたいなものを考えるのも一つですね。それから営業マンの営業スキルを上げて、もう物件に食材持ち込んで料理している様子を映して楽しさや使い勝手の良さを伝えるとか、気持ちの良いテラスに横になっちゃうとか(笑)、一つ一つの物件の魅力をいろんな方向から届けられるように考えて行きたいです。

――営業マンが画面越しに物件のテラスに横たわっていたら面白いですね(笑)。やることが変わってくると、ツールもLINEやZOOM以外にふさわしいものが出てきそうです。

小林専務:最近TikTokでモノを売る人が出てきているんですよ。そういうのも使ったらいいんじゃないかなと思っています。TVショッピングのオンライン配信版みたいにして、不動産を買いたい人が視聴してその場で意思決定するとか。最近土地の売却の動きが弱いので、私が自ら物件を資料背景とともに8時間ぶっ続けで説明するのとかもいいなと思っています。

――オンライン化が進むと、「オンラインで伝えるためのスキル」が高い人も、求める資質に入ってきそうですか?

小林専務:採用基準としては今まで通り、スキルよりも本質を見たいと思っていますし、何より住まいに対する情熱がある人というのが大前提ではありますが、オンライン営業の割合が増えるならそれに合ったより多様なスキルを持った人が入社してくれると嬉しいです。オンライン映えする人も大歓迎ですよ!