かほく市を基盤に猛スピードで成長を遂げてきたサンリーホーム、その競争力はいったいどこからくるのでしょうか?社長インタビュー第二回目となる今回は、理念とビジョン、そして「社員の知恵をかき集めてくる」社内風土を中心にお届け。その強さの秘密に迫ります。

小林 絹代(Kobayashi Kinuyo)
代表取締役社長。実業家の父のもとに生まれる。結婚・離婚を経験し、金沢の不動産会社に勤務したのち2007年に独立。サンリーホームを創業する。人生のモットーは「念ずれば花開く」。

自らつくった社名とロゴに、暮らしへの願いを込めて。

――今回は、サンリーホームの企業理念やビジョンについて、webサイトにも書かれていることも書かれていないことも含めて、改めて社長からお話を伺えればと思います。まず、サンリーホームの一番大事な理念は「三方良し」ですよね。

小林社長:はい。もとは近江商人の言葉で、「売り手と買い手の満足は当然のこととして、社会に貢献してこそいい商売である」という意味なのですが、私たちも「顧客・社員・社会」三つの幸福を満たせる会社であろうと日々研鑽しています。

――具体的に、「どんな価値を」「どう」社会に提供していくか、みたいなものも言葉で定めておられますか?

小林社長:創業時に社名とロゴに込めたものがあるので、それを起点にお話しますね。まず、不動産会社として何をお客様に提供したいかと考えた時に、やはりみんなが仲良く幸せに暮らせる建物を提供したいな、それって太陽がさんさんと当たるようなおうちのイメージだなと思いました。だから、「サンリー」のサンは太陽のSunから取ってきました。さらに基本は木造になるので、ツリー(tRee)のリーをつけて、「サンリー」という造語に。カタカナの「サンリー」は全部で八角、八は末広がりだから縁起がいいというのも意識して、最後に「サンリー」だけじゃ何の会社かわからないからホームをつけて、サンリーホーム、となりました。

――サン(Sun)とリー(tRee)で別の言葉からとってきているから、英語表記のときはそれぞれが大文字で始まるんですね。創業時のロゴにはどんな想いを込めたのですか?

小林社長:ロゴは最近刷新しましたが、最初のロゴは私がSとRの文字をいじりながら試行錯誤していたときに、たまたま二つをくっつけたらハートから足が出ているような形になる!と気づいて(笑)。

――たまたま(笑)。

小林社長:はい(笑)。真心を足で運んでいるような、ぴったりの印象じゃないかと思ったんです。色は、心の赤と、大地の緑、そして公正さを表す白にしようと、専務と話し合いながら決めていきました。あのロゴは創業から12年以上大切に使い、今年(2020年)初めてデザイナーさんのお力を借りて現代のセンスに合うように刷新しました。

――今のお話をまとめると、「この地域の皆さんに、太陽がさんさんと降り注ぐようなあたたかく明るい住まいを提供し、幸せな暮らしを築いてもらいたい。そのために、真心と公正さをもって仕事にあたります。」と、これが理念と行動の柱になってきますね。

小林社長:その通りです。その柱をより細かな九つの行動指針に落とし込んで、社員たちは日々、職務にあたっています。

地方の制度を追い風にした、サンリーホームの強みづくり。

――社長として、また長年不動産業に携わってこられた中で、他社と比較したサンリーホームの強みは何だと思いますか?

小林社長:業態が幅広いので、ワンストップで請け負えるのは大きな強みだと思います。最近は当社にお越しくださるお客様、最終的にはどこかにお申し込みされてお帰りになられるので、お客様のニーズはだいぶ満たせるようになってきたのかなと思います。エリアで言えば当社はかほく市を中心に郊外の物件に強いですね。最近は加賀のほうにも拡大しています。

――かほく市ならではの良さはありますか?

小林社長:かほく市独自の住宅補助金がかなり充実しているんですよ!これは当社にとって強い追い風だと思っています。たとえば新婚さんだと二年間は一世帯あたり一万円/月を支給してもらえますし、夫婦とも市外から転入した世帯は、月額五千円がさらに加算され、二年の間に出産したら補助金を受けられる期間が延長して……、と(※詳しくはこちら)。

こうした補助金の存在を知って転入を検討し始めた方々が、「調べてみたら意外と都市部へのアクセスもいい!」とベッドタウンとしての魅力にも気づき、そのまま転入、そして定住……という流れが非常に多いと感じます。

――定住しよう、じゃあ家を建てよう、またサンリーホームに頼もう、という流れにもなり、自然と長いお付き合いができますね。

小林社長:本当にその通りで、実際に、賃貸で当社とご縁が出来たお客様が、お子さんができたタイミングで一戸建てや土地探しのご相談をくださるケースが増えてきています。

意見を集めて次の一手に反映する!そのサイクルを、どれだけ正確に回せるか。

――サンリーホームの強さを、社内的なことから説明しようとした場合、社長から見てどんな点を挙げますか?

小林社長:社内中の知恵や意見をかき集めてきて事業を動かせる、その機動力や一体感は強みになっているんじゃないでしょうか。たとえばアパートを建てる際に、建築の担当者が賃貸の担当者に「こういうのを建てようと思うんだけれど、間取り的に他に案はない?」と聞く。そしたら、賃貸の人は最近のお客様のお好みや動向を肌で感じているので、それをもとに「1LDKがいいんじゃないですか」とか、「2Lもあったらいいですね」とかいう意見が出てくるんですね。そしたら、「じゃあここは1Lと2Lの重層タイプにしましょう」とか、そんな話になってくる 家賃についても、地域ごとの家賃相場を考えながら専有面積とのバランスをとるなど、みんなで共有しながら一つのものを作り上げていく姿勢は競争力の源泉なんじゃないしょうか。

――賃貸部の人も、自分の意見が反映されたり、あるいは会社に重宝されているんだぁと感じると、より普段から積極的に情報収集しようとかアンテナを高くしていようとか、そういう気持ちになってきますね。

小林社長:そうですね。小さい所帯なので協力しながらやっていかないとどうしようもないとも言えますが(笑)、でもやはり、働く人にとっては楽しいんじゃないでしょうか。本人の意欲次第で、1から10までかかわろうと思えばかかわれるのって、ワクワク感や働き甲斐、楽しみに繋がっていると思います。みんなのその楽しい気持ちが、この会社に一番強いエンジンかもしれません!